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あなたは自分の老後を誰に託しますか②(全4回)

⇓小岩菖蒲園(東京都江戸川区)、鉄橋は京成本線江戸川駅近く
小岩菖蒲園2019061701
小岩菖蒲園2019061702
あなたは自分の老後を誰に託しますか

②人口の年齢構成が大きく変化する
 明治から1990年ころまで、日本は人口の増加とともに経済が成長してきた。明治4年(1872年)の総人口は3480万人、平成2年(1990年)の総人口は1億2361万人(総務省統計局)。この118年間で、日本の総人口は3.5倍にもなった。人口の増加が経済の成長を促すのは、日本だけのことではない。日本の総人口は、総務省統計局によれば、2008年の1億2808万人がピークであった。しかし、総人口の減少よりも、年齢構成の変化のほうが社会に大きな困難をもたらす(注①)。幼年人口(0歳~14歳)が少ないうえに(注②)、生産年齢人口(15歳~64歳)が急減する。いっぽう、生産年齢人口が支えなければならない高齢者(65歳以上)は増え続ける。2042年には65歳以上人口が、2054年には75歳以上人口がピークを迎えるという(注③)。
年齢3区分別総人口表
 以下、表(上)とグラフ(下)を参照してほしい(注④)。1980年には、67.3%の生産年齢人口に該当する人々が65歳以上の高齢者9.1%を支えていた。ところが、2015年には60.8%が26.6%を、2042年には53.2%が36.1%を、2065年には51.1%が38.4%を支えなければならない。生産年齢人口には当然学生を含むので、働く世代の負担はますます大きくなる。少子化であるうえに超高齢化が進行していくため、「膨張する高齢者を減少する若者層が支えるのには限界がある」(注⑤)。
年齢3区分別総人口グラフ
 これだけ高齢者が増え続けると、日本の医療・介護・年金などは大丈夫だろうか。
 たとえば、公的年金をみると、今後、年金の保険料納付者が減少して、年金の給付者(高齢者)が急増するため、「給付を圧縮しないがぎり、公的年金制度を維持することはできない」(注①)。現在でも、公的年金(単年度収支)の2割強が「国庫負担」(税金)に依存している(注⑥)。基礎年金(国民年金)だけでみると、2009年度より2分の1が国庫負担(税金)である(2004年に成立した年金制度改正法による)。「国庫負担」は、事実上の国の借金(注①)。野口悠紀雄氏(注①)は、「現実的な仮定を置くと、厚生年金の積立金は2031年ころにゼロにな」るという(注⑦)。今後ますます年金給付額は減らされ、支給開始年齢も遅くなるであろう(現役世代は保険料率をさらに引き上げられる)。年金だけをみても、老後の生活はそう簡単なことではない。

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あなたは自分の老後を誰に託しますか①(全4回)

⇓小岩菖蒲園(東京都江戸川区)
小岩菖蒲園2019061501
小岩菖蒲園2019061502
あなたは自分の老後を誰に託しますか(全4回)

①「PLAN75」
 以下は新聞の記事からの引用です。
 「『高齢者の数を減らさなければ、この国の未来はありません』。昨年(2018年)秋、75歳以上の貧しい高齢者に国家が安楽死を勧める10年後の日本を描いた短編映画が公開された。タイトルは『PLAN75』。オムニバス映画『十年Ten Years Japan』の第1編だ。是枝裕和監督が総合監修した。
 劇中では、テレビCMが『あなたの決断を全力でサポートします』『痛みや苦しみは一切ありません』と穏やかに安楽死を勧める。
 『PLAN75』を撮ったのはロスジェネ世代(注①)の早川千絵監督(42)である。……早川さんは言う。『不安定な非正規雇用』で働いてきた人が年金を減らされ、自分でなんとかしろと放り出されたら、この映画のようなことはありうると思います。そうならない未来への希望も持っていますが』
 ロスジェネ世代が高齢化する未来は静かに、刻一刻と、近づいている。」(注②)

 この映画「十年Ten Years Japan」は2018年11月3日に公開された。残念ながら、すでに劇場上映は終了しており、しかもDVDは販売されていない。機会があれば観に行きたいが、いずれにしても高齢化の問題は深刻だ。子や孫の世代はもっと深刻な事態が予想される。そもそも巨額の財政赤字を抱える国に頼ることは難しい。この映画はそうした日本社会の厳しい現状を訴えているに違いない(注③)。

 あなたは自分の老後を誰に託しますか。自分の子どもですか。兄弟姉妹ですか。友人らと共同生活をして互いに支えあうという人もいます。それとも施設ですか。自分で物事を判断できなくなったとき、お金などを誰に託しますか。そのとき成年後見制度を利用しますか。自分が非正規雇用で、じゅうぶんな蓄えもなく、年金もあてにできないとき、どうしますか。国に膨大な借金がある今日、子や孫の世代はどうなると思いますか。

 平成時代の30年間に、雇用環境(注④)や家族構成など、社会の「ありよう」が大きく変化し、「介護の社会化」も進んだ(注⑤)。また「2025年、団塊の世代が一斉に75歳となり、2200万人、実に5人に1人が後期高齢者となる。東京をはじめとした大都市圏では医療や介護を必要とする高齢者の急増は避けられず、介護施設や医療機関で最期を迎えるのはこれまで以上に難しくなる」。「私たちを待ち受けているのは世界史にも前例のない急激な高齢化と人口の減少で」す(注⑥)。
 また、国立社会保障・人口問題研究所が2019年4月に発表した将来推計では、「2040年には世帯主が65歳以上の『高齢世帯』のうち40%が一人暮らしとなる」という(注⑦)。

 老後をどう生きるのか、日本はこれから正念場を迎える。

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