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あなたは自分の老後を誰に託しますか③(全4回)

⇓昭和記念公園(東京都立川市)、日本庭園
昭和公園2019061901
昭和公園2019061902
⇓昭和記念公園、花木園
昭和記念公園2019061903b
あなたは自分の老後を誰に託しますか

③「未来」を食いつぶす日本
 2019年度一般会計の予算案を見てみよう(注①)。
2019年度予算案の構成
 1年間の収入(歳入)は、借金(新規国債)を除くと約69兆円(税収+税外収入)。ところが、借金(新規国債)は約33兆円もしている。いっぽう1年間の支出(歳出)は、借金の返済(国債費)を除くと約78兆円。借金の返済(国債費)に約24兆円あてているが、この中には多額の「利息の利払い」(国債利払い費の約9兆円)が含まれている。話を簡略にするため、補正予算などは今は考慮しない。1年間の収入(歳入)のうち約3分の1が借金で、1年間の支出(歳出)のうち約4分の1が借金の返済に充てられている。国債利払い費の約9兆円を含めて約24兆円返済したが、新たに約33兆円の借金をするので、借金残高(長期債務残高)は増えるばかりだ。

 日本銀行がこの「6年間に買い増した国債は約350兆円。年平均約58兆円にのぼる。国債とは政府の借金証文だ。日銀がそれを買い上げるということは、紙幣を刷って(電子データ発行も含め)政府の財政赤字を穴埋めしているのも同じだ。
 政府の毎年度の一般会計税収は約60兆円。日銀は輪転機を回し、それに匹敵する規模の歳入を埋め合わせている。おかげで私たち国民は、本来支払うべき税金を半分払うだけですんでいる。こんなありがたい状態が永久に続けられるなら、これほど楽なことはない。」(注②)もちろん借金の返済の大部分は子や孫の世代が支払うことになる。

 1年間の収入(歳入)のうち、6割程度しか税金(税収)で賄っておらず、あとはほとんど借金(新規国債発行)をしている。社会保障費と借金の元利返済(国債費)に約58兆円も支出していれば、必要なところにじゅうぶんなお金を回すことは難しくなる。事実、日本の国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出の割合は、比較可能なOECD加盟34か国のなかで最下位(2015年。日本経済新聞2018年9月12日)。さらに今後、「国+地方」の借金(長期債務残高、約1122兆円)を返済していかなければならない(2019年度末、政府案)。3人家族なら、およそ2700万円も借金があることになる。「日本は未来を食い潰している」のも同然だ。
 もし将来、財政破綻により円が価値を失うようなことがあれば、ただちに私たちは現金や預金などの金融資産の大部分を失うことになる。もちろん、国はバンザイだ。猛烈なインフレにより、国の借金は帳消しになるからだ。もちろんこれは、太平洋戦争直後に日本が経験したこと。物価は戦争末期から高騰していたが、敗戦直後から1949年までに「小売物価は79倍、卸売物価は60倍」に跳ね上がり(注③)、1円紙幣は「アルミ貨」(1円硬貨)になってしまった。そして戦時中の巨額の借金(軍事費)は帳消しになった(注④)。

 2019年度の一般会計案を見ると、支出(歳出)では国の政治に必要なお金(政策経費)約78兆円のうち、社会保障費に約34兆円をあてている。これから高齢化はますます進展するため、医療・介護・年金などを維持しようとすれば、ますます社会保障費を増額しなければならない。いっぽう生産年齢人口が減少するため税収は減少する。ほんとうに日本の財政は大丈夫だろうか。

 そもそも政府は、経済の停滞を解消する方策として、大量の国債発行に依存しすぎた。そして企業も国民も、政府の経済対策に期待しすぎた。だがこうした財政出動はじゅうぶんな効果をもたらすことができなかったばかりか、戦後最悪の財政悪化をもたらした。もともと企業も国民も、みずからの発想と努力によって、平成時代の経済停滞から脱出すべきであった。

 夕張市は2006年、日本で唯一「財政破綻」し、事実上国の管理下に置かれた。この夕張市(財政再生団体)でおきていることが、将来の日本の姿であるのかもしれない(注⑤)。私たちは、夕張市の「経験」からたくさん学ぶことがある。
<注>
①表はJIJI.COMの記事を簡略にしてある。数値は2018年12月21日掲載時のもの。財務省主計局「我が国の財政事情(平成31年度予算政府案)」(2019年1月、PDF)も参考にした。
②朝日新聞、2019年5月15日
③久保田晃、桐村英一郎『昭和経済60年』1987年
④ゆるやかでもインフレがすすめば、国の借金はその分だけ目減りする。だから、国は事実上の「インフレ政策」をやめられない。金利も上げられない。金利が上がれば、国債の「利払い」の増加により国の借金(長期債務残高)が激増するからだ。もちろん国民は金融機関の利子を期待できない。
⑤NHKスペシャル取材班『縮小ニッポンの衝撃』2017年
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コメント

こんにちは

国庫に蓄えられる財政を、諸政策に用いる財源を「借金」で
賄っている。
それは本来異常なことであると家庭に置き換えれば容易に
想像し得ることなのに、国も国民もそれに慣れすぎてしまいました。
「大丈夫」という安易な決めつけが決定的な破滅を招いたのは、
8年前にも経験済みのハズ。

「破滅的未来」を避けるためにも人それぞれが想像力と
創造力を駆使し成長を試みるとともに、国には財政健全化と
貯蓄体質への転換を望みます。

ac802ftkさん、こんばんは。

歴史にifはありません。
ですが、平成時代の経済停滞を大量の国債発行で乗り越えようとしなかったらどうだろう。そして、経済成長だけが唯一の解決方法ではないと考えたらどうたっただろう。
たとえば、景気対策は最小限にするが、先端科学技術の発展・導入に努めたり、産業構造の転換を容易にするための政策を行っていたらどうだろう。
非正規雇用は導入せず、転職が容易になるような雇用環境の整備、転職をする人たちのための生活保障などをしていたらどうだろう。
若者には、返済不要の奨学金や、海外留学の奨学金をだし、国内外で学んでもらう。
これらの政策であれば、巨額の国債発行は避けられたはず。
たとえ、結果が同じでも(経済停滞を解消できなかったとしても)、年度ごとの、巨額の財政赤字は発生せず、次世代の負担は軽減できたはず。
次世代が活躍できる環境の確保を最優先にしていたら、どうだろう。
歴史にifはありません。厳しい財政事情のなかで、どのような日本社会を築くのか、みんなで考えるしかないようです。
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