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東日本大震災からの復興

2017年3月11日、東日本大震災からすでに6年を迎えた。私はこの年の9月下旬から8日間、車で宮城県東松島市から岩手県宮古市の三陸海岸を北上して震災からの復興状況を「見てきた」。さらに本やTV番組、ネットなどで事前に下調べをしていた。だが、これだけでは十分ではない。このため復興状況の進展に多くの言及をすることは避けたい。しかし、「災害列島」に住む私たちには「明日は我が身」である。私が住む東京でも、関東大震災(1923年)クラス(M7.9)の地震が起こりえるし、多摩地方には立川断層もあると言われている。他人ごとではなく、自分のこととしてこの大震災のことを考えたい。

 復興状況を知るうえで最も役に立った本は、岡田広行著『被災弱者』であった。この本は、震災から4年近くたった時点で書かれているが(出版は2015年12月)、今でも復興の状況は変わらない。一言でいえば「被災は今も続いている」ということだろうか。「東日本大震災からの復旧復興に用意された予算は『集中復興期間』とされた2011年度からの5年間に26.3兆円に達している。これだけの予算がありながら、被災者の多くが復興を実感することができ」ていない。政府の復興事業は、防潮堤の建設や住民の高台移転などの土木事業に(必要な施策だとしても)「片寄りすぎ」ていないだろうか。高すぎる防潮堤は「海が見えず、危険が増す」(大津波に気がつかない)ということはないだろうか(朝日新聞2017年9月12日)。また「防潮堤があると生活が成り立たない」ということはないだろうか(同上)。高台移転のための工事には多くの時間を要する。このため被災「住民の多くが戻ってこない」。「25兆円に達する復興予算に占める支援金の支出額の割合は、わずか1%強にすぎない……。」「もう一度事業や予算、計画を洗い直し、被災者が最も必要とするところへ資金や人材をふりむけるべきである。」(前掲書)

 「市町村は被災者と直接向き合う立場にある。」(前掲書)被災住民の多様な要望に向き合うにはあまりにも「マンパワーが不足」している。この本に詳述されているように、各地のボランティアが果たした役割はあまりにも大きい。未来の大災害に備えて、私たちは東日本大震災復興からの教訓に多くを学ぶべきである。復興にあたって多くの人が「被災者に寄り添う」ことが大切だと指摘している。だが果たしてその通りになっているだろうか。「ハード面を焦って整備するのではなく、住民が安心して暮らしを続けていけること。それこそ真の復興だ」と思われる(朝日新聞2017年10月20日)。

<参考~著書>
①岡田広行著『被災弱者』2015年
②木下繁喜著『東日本大震災 被災と復興と 岩手県気仙沼地域からの報告』2015年
  この本も読んでおきたい。「被災した人たちの生活再建こそが、震災復興では最優先されるべきです。人々の生活再建なくして、地域の復興はあり得ません。政治や行政の復興の動きをみていると、一番大切な視点が欠けているように見えてならない…… 。」被災住民の「生活再建」から程遠い行政施策が生々しく描かれている。この本には次のようにも書かれている。「ただ、東日本大震災のような大規模災害となると、東北地方沿岸部の中小規模市町村レベルでは対応しきれないのも現実です。……震災地の市町村は……絶対やらなければならないことに特化して対応すべきです。一つは日常の業務です。もう一つが被災者への対応です。……復旧事業は国と都道府県にお願いする。そして復興事業は民間に委ね、市町村は支援する側に回る。震災時にはそうした役割分担をきちんと決め、対応することが大切ではないか……。」被災地ガイド(陸前高田市と大槌町)の方が私に、行政の対応の「まずさ」を何度も指摘していた。大災害にどのように対処するのか、日頃から行政も私たちも考えておきべきだ。「復興計画は平時に作ることが大切」で、「震災が起きてから復興計画や復興事業計画を作っていたのでは、迅速な復興は望めない……」。
③外岡英俊著『複合被災』2014年
④塩崎賢明著『復興〈災害〉――阪神・淡路大震災と東日本大震災 』2014年

<参考~Webサイトより>
写真で見る被災地~東日本大震災

<地図>三陸海岸(宮城県・岩手県)
地図 三陸海岸
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